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ドイツでキャッシュレス生活の難しさよ、の巻

キャッシュレス支払いの話

1~2年ほど前に、SparkasseがEC支払い(デビッドカード)、クレジットカード、各種引き落としの度に少額の手数料を取るようになった。それまでは一定額の入金があれば手数料無料のプランだった。それが制度変更により、毎月一定額の手数料を支払うプランか上記のプランに。これが意外とバカにできず、車のローンやスーパーの支払い、引き落としで普通に8ユーロくらいいく。あれ、一定額払うより高くない?と気づく俺。

2020年はそんなこと気にしない気楽なキャッシュレス生活がしたいな、ということで去年の年末頃に維持手数料が不要なオンラインの銀行口座をもう一つ開設。少額だろうとなんだろうととにかくカードで支払い。いやぁもう、楽ったらありゃしない。少額なら(€20以下かな?)PINコードの入力も不要(少額でもサインが必要なケースはある、おそらく無人レジ)。

 

ドイツはお金の扱いに関してはけっこう保守的で、SUICAを開発した日本、QRコードを開発した中国の方が余程進んでいると思う。GooglePay/ApplePay辺りでキャッシュレスが加速するかと思ったけどそうでもない。わたしゃとにかくSuica的なモノが欲しい。昨今のウイルス騒ぎで、万人が触っている硬貨・紙幣を扱わない用にキャッシュレスがようやく進むんではないか?と願っているが、スーパーのレジを見ていると相変わらず現金で支払っている人が多数派のように見える。最近とあるスーパーで「キャッシュレス支払いにご協力ください」というのを見たくらいかな。さてどうなることやら。

ちなみに最近の銀行のサービスにあるのが、ドラッグストアのdmやスーパーでもお金が下ろせるというもの。これはATMを探さなくていい便利さ。実は私のSparkasseはFrankfurt管轄で、郊外に引っ越してからはまた別のSparkasse管轄になっており、厳密には別の機関なのだ。たかがちょっと隣町に引っ越しただけでそんな…である。まぁ店舗に行くことはおそらくもうないので、実害はないのだが、微妙にイヤだ。というわけで、オンラインの銀行口座をメインにして以来、私はスーパーかdmで下ろしている。本当はシンプルにカードだけ所持する身軽さにしたいのだけれども、カード支払いができない場合のケース(機械故障)もあるのでなんだかんだある程度の現金を財布に入れている。

とりあえず、これが私なりの妥協案。もっとGooglePayやApplePayが普及したら保持するのは携帯とカードだけにしたいくらい。

 

 

んが、そこは保守的なドイツ。

簡単にはいきそうもない。現金といっても、紙幣というより、どうしても小銭が必要!というケースがよくある。主なケースは以下の通り。

 

少額支払いでカード支払いの抵抗

これはもう私の気持ちの問題…2ユーロ程度のパンを買うのにカードで支払うのがなんだかまだ抵抗がある。カード支払いの端末はあるんですよ。これも、いずれなくなるかな。

ホームレスや路上パフォーマーへの投げ銭

頻繁にはあげないんですが、道端のホームレスや路上パフォーマーにあげるときに小銭がなくて困ることがある。

中国のようにQRコードを持っているような高度な人たちではないので、このあたりはううむ、というところ。逆に「小銭ない?」ってお金をせびられるときに「キャッシュレスなんで」と即断れる。あ、これはキャッシュ生活でも適当に言えばいいのか…。

こういう小銭は、あげたあげなかったって証拠がないから、こういう社会でホームレスや路上パフォーマーの人たちが小銭を稼いで少しでも生活できるためのセーフティネットでもあると思うのよね。(ホームレスが発生している社会的背景は置いておいて。)

路上駐車券

だいたいECカード支払いができるけれども、たまにやはり現金のみ、小銭が必要と出くわすケースがある。例えば路上パーキング。機械で€1~2を時間に応じて払って紙をダッシュボードに置いておく。これもECカードで支払いできる所もあれば、故障している場合も多々。先日は駐車チケットをカード支払いしようとしたら「通信できません」というエラーが出て小銭で支払った(´・ω・) あぁ…。というわけで車には常に50セント、1ユーロ、2ユーロを常備している。

ちなみに最近は路上駐車アプリが浸透してきたけれど、先日とある都市で路上駐車してEasyParkアプリで支払ったら「Easyparkという紙を車のダッシュボードに置いてね」という但し書きがあった。それ…意味あんの?むしろ紙とペンがないわ!( ・ω・`)とこれにはさすがに呆れてしまった。こういうマニュアルさ・物理的な何かが必要なところは、あぁドイツ…と呆れてしまうところです。

駅のトイレ、観光先でのちょっとした小銭ゲート

大きな駅のトイレはだいたい有料。ゲートがあって1ユーロ入れたら、駅で使える50セントの割引券が戻ってくるアレ。GooglePayなんか対応させておいて「ピッ」とスムーズに入れないもんかね。。

よく行くハイキングの頂上に塔があり、その入り口ゲートが無人で50セントなんですよね。ただキャッシュレスを整えるには電気が必要なので、ハイキングの場合はしゃーない、とあきらめるのみです。電気という便利さのインフラを整えるか、小銭がないときは仕方がないと割り切るかは、TPOと需要供給のバランスですな。

アパートの共用洗濯機

これ、一番困っている。私は部屋の大きさの都合でどうしても洗濯機を置けない為、地下にある共用洗濯機を使っている。前に住んでいたアパートでも同じだったので仕方ないと割り切っているけれど、共用なのでお金がかかる。一回€2.5。(メニュー関係なし。ちなみに前のアパートでは時間単価だったのでこれはアパートによる。)なので、小銭ができると、優先的に洗濯機用に取っておく、という状況である。以前は現金支払いをしていた為ちょこちょこと小銭を持っていたのだが、昨今のキャッシュレス支払いにより小銭を持つ機会がどーんと減った。こればっかりは仕方がないので、たまに現金支払いをしてなんとか作るしかない。

 

 

データを見てみよう

ちょっとデータを見てみた。日本でもキャッシュレス支払いは2016年時点で20%程度なのね。30%くらい行ってるかと思ったけど、日本もまだ現金社会なんだな。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000506129.pdf

ドイツではどうだろう?とみたところ、2017年で総支払額に対して47%、総トランザクション数に対して74%が現金なので、キャッシュレス支払いは日本より多いくらいかな?これはたぶんデビッドカード(ECカード支払い)が一般化しているせいじゃないかと思う。

https://www.bundesbank.de/resource/blob/737278/458ccd8a8367fe8b36bbfb501b5404c9/mL/payment-behaviour-in-germany-in-2017-data.pdf

 

下記資料の15ページを見ると、日本もドイツも先進国の中では遅れている部類に入る。似たもの同士か…。

https://www.paymentsjapan.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/Cashless_Roadmap_2019.pdf

 

いちユーザとしてみると、ドイツは少額支払いを小銭現金で支払うケースが多いと感じる。日本ではコインロッカーや自動販売機ですらSUICAで電子支払いができるので、SUICAカードやクレジットカードを出すことはあれど、現金自体を持ちだす機会は少なかった気がする。

 

ドイツでいつか完全キャッシュレスで生活できる日は来るのだろうか…。

 

 

追記

昨今の事情により、だいたいのお店では「接触をさける為、現金ではなくカード支払いにご協力ください」という看板を見るようになった。店頭支払いはカード支払いが増えることでしょう。でも私が気になるのは少額支払いのケースで現金、特に小銭が必要なケースなので、これを機にどこかのFintechスタートアップが盛り上がったりしないだろうか?とちょっと願ってる私です。

 

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