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ドイツで転職活動、私の場合

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じつは10月から転職して新しい会社で働いてます。

誰かの参考になるのかならないのかわかりませんがちょっと振り返ってみることに。

私の転職活動から見えること

ドイツ語の問題があり転職できなかったのが一番の理由です。ドイツの学業システムを出ていない、ポッと外国からやって来た移民としてドイツで仕事を探す際に必要なのは、経験とドイツ語

本気で探そうと思えば何も気にせず月に100件以上のポジションにCV送ればいいんですけど、どうせわかっているのはドイツ語どれだけ話せる?という質問。1次面接の電話でどれだけ喋れるかチェックされ、ごめんなさいされたこと数えられない数あり。これはほんとーに凹むんだけど、でも事実。私のIT職種の場合は社外とのやり取りが多い為ドイツ語重視である。他の都市はようわからんが、フランクフルト界隈はドイツ語重視な模様。英語だけ喋れます人材よりもまずドイツ語(そして英語も言わずもがな)という雰囲気がしている。

(例)MTGの会話はドイツ語。パートナーや外部ベンダーのエンジニアもドイツ語。場合によっては背景や内容が全く引き継がれておらず、ベンダーの下請け業者が何も知らずに来るケースが多い。そうなると「ワタシこのサービスオーダーしたの、だからこれやって」「それ違う、こうお願いしたでしょ」とドイツ語で指示せねばならぬ。。パートナー業者のエンジニアに「これやりたいからこういうシステム作って云々」「見積の時にお願いしたこと漏れてる」とかもドイツ語。ITにトラブルはつきもの。各種サポートに問い合わせるのもドイツ語。(ドイツ語喋れない頃は英語でやってますた)

これらすべての仕事をするにはドイツ語できなきゃやってられないのです。いわんや、まずドイツ語をビジネスレベル(B2レベルと言われる)にしろという話。実際に何度かエージェントに言われたこともある。英語でならこれ全部できる。なので、スキルがあって英語できれば海外就職ができるってのはあながち嘘じゃないと思う。でも欧州大陸では、ローカル言語できないといけない(と思うよ、ドイツ以外の国も)。必要なのはローカル言語+英語と置き換えるべきかと。私の場合、そんなにすごい!って言われるほどのスキルではないけれど、一通りインフラを触れるっていう点で悪くないプロファイルだと思うし、実際にドイツ内エージェントからも声はかかる。月に一回くらいはXINGでメッセージが来るレベル。イギリスやオランダからのエージェントからもちょこちょこ問い合わせ来た。

 

んが、採用はまた別の話。人事からすれば経験あってB1~B2レベルのドイツ語喋れる日本人より、私より多少経験少なくてもドイツ人を採用するでしょう。あるいは同じ英語話者でネットワークエンジニアならインド人・パキスタン人などもっと経験ある人を採るでしょう。よほど国際企業で英語優先、と言ってもドイツで生まれ育ちローカルルールを知る人間が優先される。そこで競争するのはそいつらに負けない高度スキルか経験、あるいは欧州人でもなかなかいないようなニッチなスキル(ジョブ探しサイトで1回だけ"メインフレーム"という単語を見たことがある)。もしくはもうCV送りまくって1000件に1回の「うちで働きませんか」を狙うか。イコール、999回分凹むか。

今回転職するまで、正直私もちょっと選り好みしたしドイツ語問題もあって時間がかかった。やみくもに探して転職して、変な会社で働く気はなかった。ビザの問題もある。えいやーで転職したはいいけど試用期間中にクビになって次が見つからず強制送還は絶対避けたかった。なので転職可能ビザになるまではちょっと様子見つつな状態ではあった。そしてドイツ語喋れずNoもらって凹むくらいなら、日々の業務でドイツ語ちょっとずつでも改善してる方が精神的にマシ。あと前職の給料がそれほどひどすぎず(市場と比べると低いけどね)、一人で暮らしていけるだけはもらえてた、というのも大きい。

(※私はITですがインフラなので、Software Developper/Programmerの場合はわかりません。その職種の場合英語でも概ね良いというのを見かけるけれど、顧客と喋って要件定義する人はドイツ語喋ってるはず。SAP関連も引く手あまただけど、これもドイツ国内での企業ルールや会計ルール等々を知らねばいけないわけで、これまた技術と言語以外の知識が必要なはず。)

 

日本で同じポジションで働くのと大きな違い

転職活動とは関係ないのですが、ちょっとこれは書いておきたい。個人情報の取扱いについて。これはサービスの顧客だけでなく社員にも当てはまる。ドイツ在住の人たちがいろいろと仕事のことを書いているけれど、これについて書いている人はあまり見ないような気がする。みんな普段の業務でそういうトピック出てこないのか?それともIT部門は個人情報を取り扱うことが多いから私がよくこういうテーマに直面するだけだろうか?欧州でITや人事総務部門で働くなら個人情報保護は必ず知っておきべきこと。日本で働いてた頃と明らかに違う…こりゃ労働者としての意識や企業文化のバックグラウンドが違いすぎるな、と思った。例えばシステム側で端末位置情報とかオペレーションログ取るとかまずNGで、書面での各社員との同意が必要。日本企業って社員よりも組織が強いし、会社貸与のPCや携帯なんだから会社が管理するのは当然…っていう意識は各社員にあるし、情報取られることにあまり抵抗がないのが普通だと思う。私もそう。でもドイツ人(欧州人)にはそうではない。これは会社のものをプライベートで使うモラルが低いとか云々の話ではない。例えばホームオフィスで働くといいつつ実は南フランス行ってました、というのがGPSデータやグローバルIPでわかったとして会社が社員に怒るとする。会社はそれに対し事前に書面で「GPSで会社携帯の位置データ収集します。目的はこれこれ、データを見れるのはIT管理者とDPO(Data Protection Officer)と人事と社長です云々」と記載し社員に署名付きで了承を得る必要がある。事前に。それがないと逆に社員に訴えられることもある(実際は知らんが可能なはず)。

ドイツはEUの中でも特に個人情報の扱いに対してシビア。2018年5月から始まったGDPRもそうだけど、加えて各国の個人データ保護法の基礎知識がないと、日本の意識で管理のためだからといって何も気にせずいろいろインベントリ収集していると、実は法律違反でした、てことになる。正直ドイツ来てからこの辺りは初めてのことだらけだしそもそもそんな意識がないのでビジネスカルチャーショックだった。この意識の有無は大きい。おそらく欧州に拠点を持っている日系企業のIT部門や法務部門もこのあたり苦労されてるだろうというのは、想像に難くない。

 

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転職活動ログ

さてそれでは現状を記載したところで、それでもどっか見つからないかとゆるゆるとやってきた転職活動ログをどうぞ。メール送って返信がないものも多々あるので、一次面接までこぎつけたものとかちょっと面白そうな案件をピックアップしてみた。 

2015年

  • 某日系ケミカル系 企業のIT cordinator。エージェントから紹介されて行ったけど、メインがSAPだったので自分から断った。正直いうと、たまには外の世界の空気を吸おう、ということで自分のために面接した案件。
  • 日英ソフトウェアエンジニア。開発に関する技術寄りで日本のエンジニアとやり取り。技術+語学という点では面白い案件だったが、如何せん物理学の知識とソフトウェア経験がないといけない。無理。

2016年

  • 某銀行で ITインフラオペレータ。HPとCAのモニタリングソフトウェア等々の経験者&オペレータポジション、ということでエージェントから声がかかった。小さくないミッションクリティカルな銀行だし言語は英語なので条件はよかったんだけど、銀行はすっげーがんじがらめそうだし、オペレータじゃつまらんので断った。
  • 自動車関連会社のIT Administrator。技術的には一部IBM製品を除いてよさげだったんだが、結果はNo。

2017年

  • 某クラウドサービスの日本語話者サポートエンジニア。これはドイツでなくアイルランド。たまには外の空気を吸おう面接&面白そうだし受かったら行こうかなとちょっと思ったが最終的に断った。アイルランド&日本人向けサポートというのが躊躇した一番の理由。日本語90%なんてつまらんし日本在住日本人のサポートが無理。これは数年海外で働きたい&英語ちょっと使う仕事したい&キャリア積みたいという人には最適。私はもうそうではない。また、ドイツ語ここまでやってきた自負がある&アイルランドはEUブルーカードNGなので数年働いてスキル身に着けてもドイツに戻れるか怪しい。そのころにはドイツのビザも厳しくなってるだろう。
  • US系投資銀行のIT Administrator。エージェントから声がかかってCV送ったけど、「一部スキルがマッチしない」と書類選考でNo。全部スキルマッチする経験者っているのか…?というくらいインフラの中でもかなり広範囲で異なるスキルが求められてたので、こんな人見つかるんかいな、とむしろ私が疑問を持ったが、ていのいい断り文句か。こういうこともある。
  • 某US系語学コースのIT Administrator。社内優待でドイツ語コース受けれるならメリットあるな、とトライ。1次電話面接を頑張ってドイツ語で喋ったが結果はNG。このあたりから、電話面接でドイツ語でもとりあえず喋れるようにはなってきた。

2018年

  • 製造系企業のカスタマーサポート&営業サポート。ITとは全く別の仕事です。給料はちょっと下がるがそれでも一人暮らしできるレベルだしいいかなと。ITもういいや~とにかく転職したい!ってなってた時期。人事もスタッフもすごく人が良さそうで職変えもアリだなぁと思ったのだが、他の候補者に決まった。エージェントとのやり取り、ジョブインタビューを全部ドイツ語でできたのは自分の自信につながったのでよい経験になった。

 

ドイツ語レベルで言うと、2018年現在、電話でも対面でもジョブインタビューでの会話は全てドイツ語でいけるようになった。まぁしょせんQ&Aだし聞いてくることもだいたい決まっているので準備しておけばだいたいなんとかなる。技術の話も簡単に話してくれればわかる。もっとディスカッションとかになるとまだ厳しい。考えながらドイツ語喋るというのがまだ脳が慣れていない。

 

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いろいろ書いてきましたが、やっと新しい仕事が決まってオファーをもらったときはちょっと変な感じがしたな。職場は英語が共通言語なんですが、同僚や机が近い人とは今のところドイツ語で喋ってます。車を購入したのも引っ越ししたのも、新しい職場が電車で行くには辛そうな郊外だったから。

 

ちなみに一応給料上がったけど、税金で半分取られるのであまり上がった実感が湧きません。ドイツ生活において、税率が一番高い独身者の悲しいところですね(^^;

  

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